見出し

患者「先生、ミニマルインターベンションで治療してくれる?ネットで見たけど、大きく削らずに小さく削って詰めてくれるんでしょ?」
歯科医師「間違いとはいい切れませんが、MI(Minimal Intervention)は『最小限の侵襲』を意味する治療方針で、単に小さく削るだけではありません」(続
患「侵襲?」
歯「乱暴に言うと、治療の為に削ったり抜いたりすることです」
患「歯を削るのは嫌だわ。でも、MIが『単に小さく削る』だけじゃないっていうのはよくわからないわ。歯医者さんって、歯を削るのが仕事じゃないの?」
歯「それは昔の話です。今の歯科医師は『なるべく歯を削らない』為に様々な新しい取り組みをしています」
患「そうなのね。詳しく教えてほしいわ。でも、わかりやすくお願いするわ」
歯「MIはわかりやすく言うと『なるべく歯を削らない為の方法』です」
患「なるべく歯を削らないための方法?」
歯「MI(ミニマルインターベンション)は
1.口腔内細菌叢の変容
2.患者教育
3.エナメル質及び象牙質における非う窩性病変の再石灰化
4.う窩性病変への最小の侵襲による修復処置
5.不良修復物のリペア
の5つ
小さく削って小さく詰めるは、ごく一部です。
患「うーん、言われても意味がよくわからないわ」
歯「一つづつ説明します。
1.口腔内細菌叢の変容
乱暴に言い切ると「歯磨けよ!(ドリフ)」です。
患者さん自身のセルフケアや生活習慣が良くないと、たとえ治療しても同じ理由でまた虫歯になるからです。
患「わかりやすいわ。ありがとう」
歯「
2.患者教育
そもそも、患者さんが何故虫歯になってしまったのか。
そして、どうすれば虫歯の再発を防げるかをお話して、可能な限り適切なセルフケアや生活習慣を実行していただくことです」
患「なるほど。歯医者さん任せじゃだめってことね」
歯「
3.エナメル質及び象牙質における非う窩性病変の再石灰化
虫歯は、次の順番で進みます
白→茶色→ごく小さい穴→大きな穴→痛い
要は『穴が開く前に虫歯を発見し、フッ素等でカチカチの歯に修復する』ということです」
患「虫歯って、小さいうちならフッ素で固まっちゃうのね。知らなかったわ」
歯「
4.う窩性病変への最小の侵襲による修復処置
これがよくネットで目にする『小さく削って小さく詰める』です。ただ、その前の「お口の中の状態の改善」「患者教育」「再石灰化」を行った上で考えることであって、全てではありません」
患「そうなのね。でも、なんで『小さく削って小さく詰める』以外はあまりネットに書いてないのかしら?」
歯「これは個人的な意見ですが…「お口の中の状態の改善」「患者教育」「再石灰化」については、説明が難しい上に患者さんの努力も必要なので、商売としてあまり取り上げにくいから…かと」
歯「
5.不良修復物のリペア
詰め物の段差や二次カリエス(詰め物と歯の境目が虫歯になること)であっても、全部を取り除いてやり直すのではなく、一部だけ磨いて段差をなくしたり、一部だけ削って詰め直すこと。
技術的には、全部取り除いてやり直すよりも面倒です」
患「そうなのね」
患「教えてくれてありがとう」
歯「どういたしまして。ただMIの大前提として『定期的な歯科健診』があります。」
患「わかったわ。これからはちゃんと歯科健診も受けるわね」
JR南武線平間駅徒歩30秒
ワコ歯科・矯正歯科クリニックの
予防歯科相談、予約はこちらから。
https://miniapp.line.me/2006020674-M4W1J05n